今回は後編という事で、こちら↓の記事の続きとなります
前編「死ぬ気でやれよ!死なないから」←結果、うつ病になりました
前回は「言う側」「言われる側」両方に原因があると考え、
「言う側」の原因を紹介しましたが、今回は「言われる側」の原因からです。
言われる側マイナスに受け止めてしまう思考
「死ぬ気でやれよ!死なないから」この言葉を良い言葉だ、素晴らしい教訓だと感じている人はみんなある共通点がありました。それは、「発言を好意的に捉えてる」点です。
「尊敬してる人の発言だから」などの理由もあるとは思いますが、やはり根本的にプラス思考なのです。なんでも自分にプラスな情報としてとらえるので、他人の発言を気にしたり、深く傷ついたりしにくいのです。
一方、傷つきやすい人はマイナス思考であり、発言を悲観的に受け止めてしまうので、批判されているように感じたり、卑屈になりがちです。相手に悪意があるかどうか?ではなく、発言そのものを否定的にとらえています。
思考は性格ではありません。習慣です。
小学生ぐらいまでの子達は発言を素直に受け止められるものです。きっとあなたも小さい頃はできたのですが、成長するにつれ、人の嫌な部分などを目の当たりにしてしまい、マイナスに受け止める習慣がついてしまったのだと思います。ですから、習慣を変えれば思考も変えられる!とプラス思考に考えてみましょう。
<プラス思考の習慣→思考が変わる→受け止め方が変わる>
これを実践するだけでだいぶ受け止め方が変わってきます。思考は変えられるのです。
言われる側ストレスのたまる受け止め方をしている
私はうつ病を改善する際に、「ストレスをためない受け止め方」をカウンセリングや本などで学びました。いくつか紹介します。
◎相手は変えられない、自分も相手に変えられない
自分の意見で相手を変えようとしてはいけません、同じように自分も簡単に変えてはいけません。相手が考え方を押し付けてきた場合は「そういう考えもあるんだね」と受け止める。
よく女性の気持ちは理解できないと嘆く男性がいますが、そりゃそうですよ、理解できなくて当然です。女性はこういう考えを持っていると知っていればそれでいいんです。それが本当の意味での「わかりあう」だと思います。相手の意見に同調するのではなく、認める事が大事なのです。
◎よく話を聞き、でも従わない
相手の話をまずは聞き入れましょう。しかし、従ってはいけません。相手の言う通りに動く場合でも自分の意思で動きましょう。
「自分の意思>相手の提案」の優先順位を意識しましょう。
◎相手の意見を真に受けない
あなたを批判する人がいたとします。「あなたは間違っていますよ。」
それに対してあなたはどう感じるか?
「そう?じゃあ、直す努力をしなきゃ!」と思うか、
「へぇ~、あなたはそう思うんだね。」と思うか。
世の中の大半は「へぇ~。」でいいんです。
◎正義感を他人に求めない
世の中には色んな考え方を持った人がいます。その人達を1人1人、「それは間違っている」「ちゃんとルールを守りなさい」などと正して歩く必要はありません。
「ルールに従わない人」「モラルに欠ける人」は永久にいなくなりません。そういう人達に不満を持つのではなく、反面教師として「自分はそうならないように気をつけよう」とプラスに考えましょう。
原因はわかったけど、具体的にどうなるの?
言う側、言われる側、両方に原因がある事を紹介してきました。「言う側」
・相手の状況や立場を考えていない
・言葉の使い方が悪い
・自分は実践していない
「言われる側」
・マイナスに受け止める思考
・ストレスをためやすい受け止め方
これらを踏まえた上で、具体的にどうなるか、体験談を見てみましょう。
体験談
<私(ミュージシャン)の場合>
私がまだ25歳ぐらいだった頃、音楽一筋でバンド活動(Gt./Cho.)に人生の全てを捧げていました。平均睡眠時間は3時間ぐらいで、休日は2ヶ月に1日くらいの生活をしていました。バイトかバンド活動にほとんどの時間やお金を費やしていたので、恋人と遊ぶ時間もなく、時間さえあれば寝ていました。
そんな中、「死ぬ気でやってみろ、死なないから」と当時お世話になっていた、プロデューサーの方に言われ、まだ努力が足りないと思い、死に物狂いで活動していました。徹夜でそのままライブをやったり、メンバー全員がバイトをフルでやっているのに借金を抱えているような状態でした。ライブ直前に借金返済の電話が数件かかってくる事もありました。
普通、ここまでくると体がダウンしたり、身の危険を感じて辞めようと考えたりすると思います。
しかし、「夢の為」という大義はとても大きかったのです。主の為に命を捧げる家臣のような心境だったんだと思います。言葉通り、「死ぬ気」で活動していました。
そんな過酷な活動が1年半ぐらい続いた後、私は急に家のドアを開けられなくなります。体が外に出るのを拒否して、硬直してしまったのです。バイトの時間だから行かなきゃ!と頭では考えていますが、体は言うことを聞かない。10分近く玄関で立ち尽くした時、ようやく自分が普通の状態じゃない事に気づいたのです。これが1回目のうつ病の始まりでした。
そして、命を捧げていた程、大好きなバンドを後ろ指差されながら脱退する事になります。
<アニメーターの方の場合>
アニメーターになりたい人へ
「死ぬ気でやってみろ。死なないから」を言われた結果、うつ病になってしまったアニメーターの人のお話。私と同じく「夢の為」に頑張りすぎてしまったのでしょう。
一番最悪だったのは「死ぬ気」を継続してしまったこと
私の体験を分析してみると、
「言う側」
・相手の状況や立場を考えていない 有
・言葉の使い方が悪い 有
・自分は実践していない 不明
「言われる側」
・マイナスに受け止める思考 無(好意的に受け止めていた)
・ストレスをためやすい受け止め方 有
5つ中3つ当てはまっていまして、「自分は実践していない」に関しては不明ですが、仮に実践していたとしても、おそらく私と同じように「1年半続けて」はないと思います。なぜなら、長期間「死ぬ気」で頑張ると、たいていの人は体か心に何かしら支障が出るからです。
つまり、仮に5つの原因全て当てはまっている状態で、死ぬ気でやったとしても、短期間であれば問題ないとも考えられます。(短期でも体には毒ですが)なので、このプロデューサーの方は短期間実践したか、あるいは実践していないかのどちらかだったんではないか?と私は考えています。
長い人生の中で、1日ぐらい死ぬ気で頑張った方がいい日もあるかもしれません。
しかし、絶対に長期間継続しないようにしましょう。
その期間は個人差があるのでなんともいえませんが、私の限界は1年半だったという事がわかりました。
冷静に考えればわかる事ですよね。1年半も「死ぬ気」で働いたら、死にかけるのは当然です。
そんな事にも気付かないぐらいがむしゃらで冷静じゃなかったんだなと今は振り返る事ができます。
まとめ
・「死ぬ気でやれよ、死なないから」の発言元は1、X JAPANのhideさん
2、杉村 太郎さん
3、勝 海舟さん
・本来は奮い立たせる言葉
・「言う側」の原因
1、相手の状況や立場を考えていない
2、言葉の使い方が悪い
3、自分は実践していない
・「言われる側」の原因
1、マイナスに受け止める思考
2、ストレスをためやすい受け止め方
・夢の為なら頑張れてしまう
・「死ぬ気」は継続してはならない
ニュースなどで過労死(うつ病からの自殺も含む)する方が報道されていますが、人間って自分ではそこまで追い込めないものだと思います。周囲に追い込まれるか、洗脳されるかしないと死ぬまでの努力はなかなか続きません。
本来なら体がダウンする所、強い精神力のせいで、体の限界を超えて活動してしまのです。もう一度言います。強い精神力です。我慢強いとも言えます。弱ければ、すぐ弱音を吐いてダウンするか逃げるかしてしまいますから。
「人間は自分で回し車をいくら回しても問題ないが、人に回されると死んでしまう」