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「死ぬ気でやれよ!死なないから」

私は知り合いからこの言葉を言われ、無理をし過ぎた結果、うつ病になりました。確かに死にませんでしたが、私と同じような状態になったら、そのまま死んでしまう人もいると思います。自殺の原因はうつ病が一番多いのです。

なので、最悪の場合は相手を追い込み「殺してしまう可能性」があります。

死にたくなるのは当たり前の事
でも紹介しましたが、2018年度でも日本国内で年間約2万人の方が自ら命を絶っています。わかっている範囲での統計なので、行方不明者などの場合も考えるともっといるかもしれません。

うつ病で自殺した方がみんな死ぬ気でやったかどうかはわかりませんが、統計を見ても現在の日本においては、この言葉を使うのは大変危険です。
言葉の真意、使い方を間違えると大変な事になりかねません。

そもそも誰の名言?

頭にクエスチョンマークを浮かべた人のイラスト(男性)これは諸説ありました。
1、X JAPANのhideさん
「死ぬ気でやれよ、死なねぇから」
hideさんに言われたら「カッコイイな」と思わず思ってしまうのは私だけじゃないと思います。しかしこの言葉、どこを探しても本人がいつ、どこで、誰に言ったのかわからないのです。ネットでも散々紹介されてはいますが、ライブ中のMCだとか、雑誌のインタビューだとか信頼できる情報元は出てきませんでした。難病で苦しむ貴志真由子さんという方がいて、その方との交流の中で発言したという噂もありますが、成功率30%の大手術を受けた方に言う台詞とはとても思えません。おそらく、勘違いから生まれたデマだと私は思います。

貴志真由子さんとの交流についてはこちらがわかりやすい記事でした↓
HIDEの死因と命日は!?真由子との関係が泣ける!?

2、杉村太郎さん
「死ぬ気でやれよ、死なないから」著書「アツイコトバ」より
実業家であり、ミュージシャンでもある面白い経歴をお持ちの方です。
杉村さんのは、同じ言葉でも情熱を感じます。作者によって印象が変わりますね。

3、勝 海舟
「死ぬ気でやってみろ、意外と死なないから」
「意外と」という表現がつくだけで大きく意味が変わってきます。意外と、という事は死ぬ場合もある、つまり死なないとは言ってないのです。思ってるより、人間は頑丈だよとか、心配ばかりしてないでチャレンジしてみたら?というような前向きな言葉に受け取れます。こちらも信頼のおける情報元は見つからなかったのですが、勝海舟の場合は「言ってそうだなぁ」と私は勝手に感じています。

また勝海舟が言ってるのであれば、上記の2人より発言時期が古い為、この言葉を最初に広めたのは勝海舟かもしれません。

本来は奮い立たせる言葉、追い込む言葉ではない

上記の3人がどういう真意で、この発言をしたのかは私はわかりませんが、本来は「相手を奮い立たせる」を目的としているのではないでしょうか?相手を追い込む言葉ではないはずです。
しかし、私もそうでしたが、実際にこの言葉で追い込まれる人がいるのです。


「なぜなのか?」


私は言われた側でしたが、苦しむのは言われる側にも原因があるからと考えています。なぜなら、言われても全く傷つくことなく平気な人もいるからです。なので、

言う側の原因」
言われる側の原因」


両方の原因を探っていきたいと思います。

「言う側」相手の状況や立場を考えて発言しているか?

ダラダラしている中年のイラスト
例えば、
「何か人生を変えたいと思っているが、ついゴロゴロして何もできずにいる人」
には響く言葉かもしれませんが、

「目標を持ち、歯を食いしばって日々努力している人」
にはムチを打つ言葉に感じるかもしれません。

また、それが上司に言われたのか、友人に言われたのか、尊敬する著名人が言っていたのかでも受け取り方は変わってきます。仕事上で言われるとどうしても強制力や威圧感を感じる言葉になりがちですし、仕事中に言うのと、飲み会で言うのでも伝わり方は違います。

業務命令なのか?教訓なのか?酒の席での説教なのか?

相手の状況や立場をよく考えて発言しないと、そんなつもりはなくとも誤解されてしまいます。

「言う側」言葉の使い方が悪い

言葉自体に罪はありません。

「頑張れ」という言葉がうつ病の人に良くないという話は有名ですが、「頑張れ」という言葉が悪いわけではありません。
包丁やインターネットと同じで、「使い方が悪いと人を傷つける」という事なんです。応援の「頑張れ」なのか、説教の「頑張れ」なのか、相手がどれぐらい頑張っているか把握した上なのか、把握していなくて言っているのか。
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こういうと言葉を使うのがすごく難しいように感じますが、実は簡単な方法があります。それは

「言われた相手がどう感じるかを考える」

これを考えた上で発言するだけです。相手がその言葉で奮い立つのか?落ち込むのか?嫌気がさすのか?

一番良くないのは「相手の気持ちを考えずにする発言」です。
「使い方が悪い・悪意のある言葉」はほとんどこれです。相手の為ではなく、自分が言いたくて発言している状態なのです。そうなると、ただの「頑張れ」も相手を深く傷つける場合があるのです。

「言う側」自分も実践しているか

実際に死ぬ程努力した人が発言するのと、そうでない人が発言するのでは意味合いが大きく違います。

意外とよく見かけるのですが、
「自分がやった事ない事を人にススメる」人が世の中にはいるのです。

「あそこの新しいお店美味しいよ」(行った事ない)
「上司にまずは相談しなさい」(自分は基本的にしない)
「人の嫌がる事を率先してやるといいよ」(自分はやったことない)


人から聞いた話、テレビで見た、本で読んだなどの情報を自分で試さずに、人にススメる人が実際にいるんです。

体験していない言葉ってとても軽いんです。その証拠に1年経ったら意見が変わっていて、それを指摘すると「そんな事言ったっけ?」となるケースがよくあります。
所詮は受け売りなので本人も忘れてしまうのです。
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実体験に基づく教訓や名言って、もっと深い言葉なのです。

「心の底から私は後悔しているから、あなたはこうした方がいいよ」なのか、
「聞いた所、こうした方がいいみたいよ」では全然意味が違うのですが、
「同じような感じ」で発言してしまうと、相手に誤解を与えてしまいます。

また、そんな軽い言葉を多用しているとあなたの言葉の信頼度も下がっていきます。


長いので、後編に続きます↓
後編「死ぬ気でやれよ!死なないから」←結果、うつ病になりました